7: 不定期ストレス


人はいろんなリズムの中で生活しています。日のリズムが最小の単位。ちょっと長目の週のリズム。けっこう長目の月のリズム。そして年のリズム。人それぞれ生活スタイルは違いますが、みんな同じ年月週日のリズムの中で生活しています。年月週日それぞれのリズムに定期的なイベントが組み込まれています。日のリズムには食事や睡眠などのイベント。週のリズムには休暇などのイベント。月には給料日や決算などのイベント。年には花見や盆休みなど四季おりおりのイベント。皆さんが日頃経験するストレスにも年月週日のリズムがあります。年月週日のリズムでやってくるのでこの手のストレスを私は勝手に定期ストレスと呼んでいます。一年経過すると定期ストレスを一通り経験することになります。卒煙式が1周年を目指す理由はここにあります。1周年を迎えた人はこれら定期ストレスを全て退けたことになります。ストレスは復煙を誘発する大きな大きな要因ですので定期ストレスを一通り経験した人の卒煙はほぼ成功したと言っても過言ではありません。ところが。人は一生に数回しかない特別なストレスを経験することがあります。私はこれを定期ストレスと区別して不定期ストレスと呼んでいます。恋愛、結婚、引っ越し、就職、転勤などなど・・・これは年月週日のリズムとは関係なく個人の一生という別の尺度でやってくる不定期なイベントです。不定期ストレスは年月週日とか全く関係なく突然やってきます。不定期ストレスに曝されたとき、卒煙はもろくも崩れ去ることがあります。1年たっても2年たっても未経験の未知のストレスです。未経験なだけに強烈なストレスとなります。長年卒煙していたのに突然復煙するのは、ほとんどの場合不定期ストレスが原因です。これに対処する方法はあるのでしょうか?不定期ストレスが生じるのを防ぐ手段はありません。が、不定期ストレスが復煙に結びく確率を減らす手段はあります。それは。不定期ストレスの存在を心にとめておくことです。たったのそれだけです。知っていることで確実に有利になります。「えー!?知っているだけじゃ、ストレスはなくならないよー」「ストレスがなくならなかったら、また吸っちゃうよー」確かにそうです。知っているだけではストレス解消にはなりません。でも知っている状態と知らない状態では全く状況が異なります。卒煙初期のころ禁断症状で苦しかったと思いますが皆さんはなんとか乗り切りました。乗り切るのを支えた知識のひとつが【禁断症状という苦しい状態がやってくるが必ず軽くなる】という知識です。苦しい状態に襲われるという知識があれば、卒煙前からそれなりの覚悟ができます。覚悟さえできていれば乗り切ことのできる確率は格段に上がります。つまり不定期ストレスの存在を知っていることがその最大の防衛策になるのです。1周年を過ぎればあとはこの不定期ストレスだけが敵となります。その存在を少しだけ心にとめておいてください。不定期ストレスを何回か退けた暁には真の卒煙が待っています。ご検討お祈ります。

■メニューへ戻る